美しい般若心経           玄奘三蔵 訳 般若波羅蜜多心経      


尊敬する金岡 照光先生の仏教漢文の読み方(春秋選書) 224p あとがき より一部抜粋

仏典の漢文は、いわゆるオーソドックスな漢文--中国の古典にもちいられたる文語文と対比するとき、
必ずしも,その軌を同じくしていない。それはサンスクリット、あるいは西域各国語という、
シナ語とは、まったく系統を異にする言語の流入に当たって,創出された新しい修辞・語彙を
多く有しているのである。しかるに日本の伝統的な仏教学は,伝統的な訓法の踏襲を施したのみで、
仏教漢文に中国語学的な反省をさして加えることなく、安易に伝承してしまったきらいがある。
すなわち漢訳仏典を、外国語の経典としてでなく日本の経典,日本語の一部としてのみ意識し、
これを外国語の経典、外国語の一つとして、徹底的な反省を加えずにしまったのである。
現在われわれが、漢訳を研究するに当たって、もっとも拠り所としている
「大正新修大蔵教」においてすら、多くの誤読、句読の誤り,初歩的な誤植、交勘の不備が見られるのである。
極言すれば大正蔵は、現在あるいは,徹底的な再検討を必要とする時期に来ているともいえるのではあるまいか。




          漢訳 般若心経    非漢文説 (直訳説)

 漢訳 般若心経は  漢字文 であるが    漢文  ではない。
(と言っても中国四千年の漢文は知らない、問題にするのは"いわゆる漢文"、ここ千数百年内 )
漢字 で書かれているから 漢文 という思い込みが、玄奘がサンスクリットから漢訳した時より、千数百年 続いている。
本当の所、漢字で書かれただけでは、漢文とは言えない。
日本の新聞記事(漢字仮名まじり文)からひらがなを抜けば漢文になりますか?
中国とは不思議な国で、インドから大量の仏教の原典を持ち帰り中国語に翻訳した後は
原典を惜しげもなく破棄(?)したのであろう。中国本土からサンスクリット般若心経原典は消え失せ
あるのは日本の法隆寺に残る貝葉本です。原典が残っていない理由は色々でしょうが、
中国の価値観では 中国語で書かれたものが上ということでは。
ただ中国でもサンスクリット原典が理解できたのは極、少数でしょうし、
日本に至っては皆無に近い状態だったと思われます。サンスクリット般若心経原典がなく
漢訳般若心経だけ がある状態で、般若心経を理解しようとすれば漢文として読むことに成ってしまいます。


しかし先達の俊英方も 漢文として読むこと に成功したとは思えません。

(私の説では漢文でない、ものを漢文として読めない)
現代日本においてはサンスクリット般若心経原典も手に入り現代語訳
も読め、当然漢訳般若心経をも目にします。Googleで "般若心経" を検索すれば
ホームページ等が百万件以上出てきます。

     漢訳般若心経非漢文説                 別稿  般若心経の謎

(風車に立ち向かうドンキホーテか?いや、それでなく、大陸移動説のヴェーゲナーでありたい。)可能な限り実証していきたい 。
参照 01ページ 般若心経解凍形    ← 漢文読 しないほうが 見事に読める

漢語として長い語句は音写語だけで他は 単漢字 1字 が殆ど、稀に 2字 程度。

これで 漢文 と言えるか?サンスクリットからの訳は 漢字訳 音写訳 である。断じて 漢文訳 ではない。
機会を見て江戸時代の 傑僧 慈雲尊者 に倣い、サンスクリット と 漢字訳 の対応表を作成したい。
参考 慈雲尊者による漢字訳

追記2007/01/13


佛説摩訶般若波羅蜜多心経 メモ
グリーンウッド氏による、サンスクリット原典、漢訳、日本語訳、英訳の対比表をも含め 般若心経についてより詳しく書かれています。
般若心経の研究者にとって貴重な資料です。

「サンスクリット語は屈折語、漢語は孤立語ですが、語順がほぼ同じSVOであるため、翻訳といっても単語を漢字に置き換えてゆけばよいということを実感しました」とも書かれています。

貝葉に見る般若心経の秘密 (ご紹介)
中田良作氏による、般若心経の原典である貝葉の梵字般若心経を漢訳し
玄奘の漢訳般若心経とをならべて比較されています。
私自身でやらねばと思っていた課題ですが、その必要がなくなりました、紹介させて頂きます。
是非ご覧下さい貝葉の解析


般若心経 関連のサイトを拝見していると、現代語訳は好きだが漢訳は嫌い
と言う人を見かけるが、玄奘が 誤訳 したのではなく、漢文 と思いこみ 誤読 (漢文読) したのが原因。

真実不虚故      虚でない故をもって真実だ。      ←(おかしな論理   バカにしてるのかと言いたくもなる)
真実不虚        真実にして虚でない。。     故の字は次ぎの文節。漢文読みしない。
    玄奘訳 は あくまで 名訳  千数百年の時を超え 復活     般若心経


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